IEAが20年のエネルギー投資の43兆円減を予測、過去最大の縮小幅に
2020年05月21日

国際エネルギー機関(IEA)は27日、2020年の世界のエネルギー関連投資が前年比約4000億ドル(約43兆円)減の約1兆50000億ドルになるとの見通しを発表した。資源価格の急落や新型コロナウイルスの蔓延による開発の中断などで過去最大の縮小となる。再生可能エネルギー分野への投資も減速するとみられ、IEAはエネルギー移行への悪影響を懸念していると表明した。
推計は5月中旬までの政府や企業の発表や業界関係者への聞き取り調査に基づいている。年初時点では14年以来の最高成長率となる2%程度の成長を見込んでいたが、新コロナの影響で20%減となった。
主な内訳は、上流の石油・ガス部門が32%減となる見通しで、世界の石油消費量は20年に1兆ドル以上減少するとみられ、石油メジャーは業績不振を受けて投資を大幅に圧迫。同氏は、米国主導のシェールガス関連投資は50%減ると予測した。石炭関連セクターは15%、電力関連セクターは10%減少すると予測した。
再生可能エネルギー分野への投資も10%減少する。Birol事務総長は声明の中で、クリーン関連投資の減速が「切望されている持続可能なエネルギー部門への移行を妨げる可能性がある」と懸念を表明した。石油やガスの下落に伴い相対的な比率は上昇するが、化石燃料からのエネルギー移行を加速させるために必要なレベルには、投資は大きく及ばないと予想される」と述べた。
IEAはまた、石油関連投資の急激な減少は、中期的には供給不足につながる可能性があると警告している。投資が20年間予測された水準にとどまった場合、25年の石油供給量は従来の想定より日量約900万バレル減少するという。報告書は「需要が急速に回復して危機以前の水準に戻れば、需給逼迫のリスクが高まる」と指摘。